新聞に、TOEIC受験者数(2015年度)が前年度比15.6万人増の255.6万人(TOEIC S/W と、TOEIC Bridgeを合わせると277万9300人)と過去最多になったとの記事が掲載されていたので、公式サイトからちょっとデータを拾って、英検と比べてみました。
TOEICについては受験者数の目覚ましい伸びが注目されて久しく、むしろ最近は、スコアホルダーの実力がビジネス現場で求められる英語力を満足させないことが多いと各社の採用担当者が気づき始め、そろそろTOEIC至上主義は終わりを告げ、受験者数も頭打ちになるのでは……との認識を私は持っていたため、堅調なデータを見て、「TOEIC、まだ伸びるんか~!」と正直驚きました。
では、TOEICの台頭に比例して、英検の受験者数は衰退し始めているのかと思いきや、こちらの方も堅実に伸びているのですね。
面白いことに、英語試験の双璧を成すこの二者の、年度あたりののべ受験者数は、TOEICシリーズが262万9000人(2014年度)、英検が263万5403人(同)と、これまでよく似通っていたのです。
新聞記事のもととなったTOEICシリーズ(TOEIC L/Rと、TOEIC S/Wと、TOEIC Bridge)全ての2015年度受験者数は、277万9300人と、冒頭に書いたように前年度比15万人以上も伸びました。仮に年10回行われる公開テストでたとえれば、1回あたり1万5千人も受験者が増えた計算になります。そう考えるとこれはすごいことです!
この記事を執筆している時点では、英検の2015年度のデータは発表されていませんが、近年なお受験者数は伸びてはいるものの、伸び人数は1万から3万で安定している英検は、ここへきてTOEICに水をあけられる可能性が出てきました。
さてどうなることでしょう。
また、英検の受験者の内訳を見れば、小中高校生の受験者割合が、2014年度で実に85%を超えています。
対して、TOEICシリーズの中では、入門・初級にあたるTOEIC Bridgeテスト(小中高校生の受験者が多いと推察される)の受験者比率が、約7%。絵にかいたような対照的なニーズです。
ざっくりと、「英検は中学・高校で受ける」「大学生・社会人はTOEICを受ける」みたいな傾向がみられるようです。そういう見方をすれば、ここまでは、英検協会、IIBC(TOEICテストの実施機関)の双方とも、住み分けをしながら共栄してきたようにも思えます。
その傾向に、そして総受験者数の推移に、何らかの変化が見られるのか、IIBCに続いて英検協会の2015年度の報道発表が待たれるところです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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